「JavaOne 2016 報告会@東京」へ行った
- タイトル: JavaOne 2016 報告会@東京
- 日時: 2016-10-15(土)13:30 - 20:00
- 会場: 日本オラクル青山本社 13階セミナールーム
- URL: https://jjug.doorkeeper.jp/events/52639
先日参加したのでまとめを書きます。個人的に注目だったorまとめられるものだけ書いています。そして、登壇者の皆様に感謝。
- JavaOne 2016 Keynote紹介 by 伊藤 敬さん
- Java SE フィードバック by 久保田 祐史さん (@sugarlife)
- Java EE フィードバック by Java Champion 寺田 佳央さん (@yoshioterada)
- JJUG鈴木会長によるJavaOne 2016総括 by 鈴木雄介 (@yusuke_arclamp)
- Duke's Choice Award 受賞記念 HeapStats講演 by 末永 恭正さん (@YaSuenag)
- 全体所感
JavaOne 2016 Keynote紹介 by 伊藤 敬さん
- 今年は9月に開催
- JavaOne4Kidsは300人ぐらい参加
- JavaChampionサミットが開催された
- Java+dockerで配布。詳細は不明。当日に追加された様子。
- 日本人が多く登壇
- Duke's Choice Award を HeapStats が受賞
- 来年は10月開催。報告会も多分やる。
Java SE フィードバック by 久保田 祐史さん (@sugarlife)
資料: http://www.slideshare.net/YujiKubota/javaone-2016-java-se-feedback-jjug-j1jp
- JDK9は2017/7/23予定(再延長される)。
- 経緯
- 2016/5/26にFeatureCompleteが出される
- 2016/6/10にnot yet Feature Completeとなり
- 2016/9/20 2017/7/23リリースにリスケジュール
- JavaOne直前にリリースが延長された
- これによりJDK9のセッションがほとんど来年に持ち越し
- 経緯
- JDK10はまだまだ先
- JDK9の主な新機能
- Jigsaw
- モジュールの概念が加わる
- JShell
- 教育よりもCLIフレームワークとして使えるかも?
- The Flow API
- リアクティブのベースになっていくAPI群。
- Jigsaw
- JDK9による変化いろいろ
- 大半の内部APIがカプセル化される
- ライブラリが隠蔽されているAPIを使っている場合は注意
- クラスローダーの挙動が変更
- javacできるのは3世代前(JDK9なら1.6)まで
- バージョン表記が変わる
- Appletが非推奨へ
- JVM・GCログのフォーマットが変更
- JDK9による範囲が狭いが刺さったら痛い変更
- JDK8から非推奨になっていたAPIを削除
- Arrays.asList(x).toArrays()の挙動が変わる
- Stringの内部データがchar→byte など
Java EE フィードバック by Java Champion 寺田 佳央さん (@yoshioterada)
資料: https://docs.com/terada-yoshio/1777/javaone-2016-report-for-javaee
- 日本企業が基調講演で多く登壇。
- JAVA EE GURADIANDS
- JavaEEの取り組みが昨年秋からどっと減ったことに端を発して発足。
- 世界中の企業などがオラクル対しメッセージ(警笛)を出している状態。
- 火星の話よりも、基調講演でJavaEEの不安を払拭するために時間を割くべきだった。
- MicroProfile
- JavaEEに関連する新たな動き。
- ベンダーや有力コミュニティが集結して発足。
- アジャイル手法を用いて製品を作成→標準化をしていくのが哲学。
- これによりJavaEEのリリースの遅さを解消させるという考え。
- JavaEEはいいけど、リリースが遅い。ただし標準化も重要と考えている。
- 現行のJavaEEとは大きく異なるプロセスで、JavaEEに影響を与える可能性があるので、今後の動きに注目。
- 時間をかけて標準化するのか、あるいは早期に市場に投入を優先するのかはどちらがいいのかは結論が出ない。 標準化された堅牢なものでシステムを作りたいという需要はある。
- JavaEEについて
- JavaEEは戦略的にはいい。
- JavaEE8はJavaEE9へのつなぎ
- JavaEE9はクラウド&マイクロサービス+リアクティブ。 これが本当にできるなら現状の不安は一掃されるぐらい期待できる。
- リアクティブはレイテンシ向上のために必要
- 非同期処理
- ノンブロッキング
- MVCがドロップ。他の仕様に注力するため仕方が無いか?
- JavaEE9
- マイクロサービスの様々なパターンにも対応できるようになる
- リリースは2018年予定。ホント?
JJUG鈴木会長によるJavaOne 2016総括 by 鈴木雄介 (@yusuke_arclamp)
資料: http://www.slideshare.net/yusuke/javaone-2016-jjug
- 標準Javaについて
- 特に進展無し
- Java ME、Java FXについてはキーノート発表なし
- JavaEEの今後の不安は払拭されず。これはEEだけの問題でも無い。
- IBMの取り組み
- OpenJ9をOSS化
- Eclipse OMR
- 任意の言語の実行環境を開発するためのツールキット
- IBMによる言語ランタイムのOSS化
- 戦いの場ではないものをOSS化するIBMの戦略。
- 誰がJavaを偉大にするのか
- 標準の開発が遅れていても、誰かが追い越していく。それはコミュニティがやること。
- JavaOneの総括
- ベンダー主導の製品発表の場→Javaエンジニアの情報交換の場に変わってきている。
- 雰囲気はオープンでエンタープライズ色が強めなのが特徴。
- トレンド
- DevOps、Cloud、Microservices、Reactive
- Agile
- もはや議論すらない。常識の範疇。
- どういうリリースサイクルにするのかや具体的なツールの話。
- DevOps
- 定義はそんなに重要ではない。
- ツールとしてはJenkisやBambooが一般的
- マイクロサービス環境におけるデプロイなどが最近の話題。
- Cloud
- 使ってて当たり前
- AWS勢が圧倒的
- マイクロサービス
- 一般的な概念として定着しつつある
- いかに分けるかより、分けたサービスをいかに管理するかという議論へ
- 500以上あるサービスをどうやって管理するのかな
- Reactive
- 用語定義やメリットの議論が継続中
- 通信するという概念がボトルネック
- コードにランタイムを組み込んだ状態でデプロイすることさえ今後ありえる
- JJUG CCC Fall 2016
- 12/3(土)開催
- 冬じゃないかという指摘はうけつけられない?
Duke's Choice Award 受賞記念 HeapStats講演 by 末永 恭正さん (@YaSuenag)
HeapStats: https://github.com/HeapStats/heapstats
- HeapStatsがDuke's Choice Awardを受賞
- HeapStatsはJavaの障害解析支援ツールでOutOfMemoryErrorなどに対応できる
- 受賞すると、JavaOneのチケットやDuke像などもらえる
- 実は2014年に落選してからの再挑戦
- 授賞式では写真撮影などがある。英語はそんなにしゃべれなくても大丈夫。
全体所感
- 初耳という感じのことはほとんどないが、まとめてみるといろいろあるのでJava周りはそこそこ活況。
- DevOps、クラウド、マイクロサービス、リアクティブなどやることや考えることは多い。
数年はここら辺の対応でトピックがなくなることはなさそう。 - リアクティブについては個人的に手を出せてないので、いつやれるのやら。
- JavaEEについては寺田さんはあまりディスってなかったが、やっぱり期待できない。
JavaEE9はよいと思うが、これが2018年というのが問題。
個人的にはSpring Bootで行こうと改めて感じた。 - JAVA EE GURADIANDSやMicroProfileの動きはOracleの方に影響を与えるという意味で注目したい。